「インバウンド対策ったって具体的に何やればええの?」
年々増えている訪日外国人を見ながら、インバウンド対策の方法が分からずにお客さまを呼び込めていない状況ではないだろうか?
全体、どんなインバウンド対策が正解なのか。猫も杓子もインバウンド対策を連呼している昨今だから逆にその方法が分かりづらくなっている。
そこで今回は訪日外国人がよく参考にする旅行情報サイトTripAdvisor(トリップアドバイザー)の京都・レストランランキングの上位10店のインバウンド対策を解説する。お店がトリップアドバイザーに載せている情報、Webサイト、トリップアドバイザー上のレビューを参考に、その共通点を探った。
日本全国を十把一絡げにしてインバウンド対策を語ることは不可能だけれど、京都という観光都市のお店から学べることは多いはずだ。
それではトップランカー達の方法を勉強していこう。
クレジットカードの利用可否
クレジットカードを使えるかどうか。この点についてトリップアドバイザーやWebサイトで触れているお店が最も多かった。お店によっては、Webサイトのトップ下という目立つ位置にデカデカと宣言していたりする。
クレジットカードが使えると訪日外国人が助かることは間違いないから、カードが使えるならそれをアピールしていきたいところ。しかしその逆の情報も役に立つ。つまりカードが使えないということを言うのだ。ハッキリとクレジットカードの利用可否がアピールされていないと「カード使えるはず」と思ってお店に来る方が困ることになる。
カードが使えるということはもちろん、使えない場合でもきちんと発信しよう。
無料Wi-Fi
クレジットカードに次いで多かったのが無料Wi-Fiについての情報だ。
訪日外国人に限らず旅行者にとって一番役立つのが無料で使えるWi-Fi。宿泊するホテルまでの行き方を調べたり、観光地の写真をSNSにアップするために使ったりと、Wi-Fiは強しだ。
お店に無料のWi-Fiがある場合は是非その情報を掲載しよう。
日本料理タグが人気
トリップアドバイザー京都・レストランランキングのトップ10のお店は、トリップアドバイザーのタグで『日本料理』と付けているお店がほとんどだった。それだけ日本旅行で日本料理を食べたい人が多いということだろう。けれど、タグ付けしているからといって日本料理をメインにしているお店とは限らない。
お寿司なんかのわかりやすい日本料理を出しているお店が日本料理タグを使っているのはもちろんだが、「え、それって日本料理?」というようなお店もタグを付けている。そのお店がウリとしている料理が日本料理でなくとも、メニューに日本料理があるからということだろうか。「日本料理タグなのに日本料理じゃなかった!むきー!」というトリップアドバイザーレビューはざっと見た限り無かったから、カジュアルに使っていこう。ただ、日本料理タグを付けているから人気なのか、人気店がたまたまこのタグを使っていたのかは別のお話。
そういえばレビューで面白いのが料理に対する評価だ。ある人は「これまでの人生で出会ったどんな料理よりも美味しい!」と言っている下で「日本で、同じジャンルの他のお店に行ったことあるけど、ここの料理はそこまでじゃなくない?」と別の人が言っていたりする。これが複数のお店のレビューに見られる。食経験によって味の評価が変わるということだろう。「そこまでじゃない」と言っている人が律儀にレビュー書いているのが個人的なツボだった。
スタッフがフレンドリー
今回調査した人気店のレビューを見ていると、「スタッフがとってもフレンドリーだった!」という声が目立った。そのワケは店員さんの喋りだったりする。喋りが面白いスタッフがウケるのは外国の方でもなるほど同じなんだと感心するけれど、それだけではない。「ホテルまで落し物を届けてくれた」や「Airbnbのステイ先を探すのを手伝ってくれた」など、コンシェルジュばりのサービスをしているところもある。
さすがにそこまではいかずとも、何かと慣れないことの多い旅行では、旅先の人に親切にされることは有り難いもの。ちょっとした面倒は見てあげたい。
英語メニュー
レストランのインバウンド対策といえばコレ。英語メニューがあって助かったというレビューが実際に多かった。
ただ、単に料理やドリンクを英語で書けばいいというものではない。外国の方に馴染みのないメニューでもどんなものか分かってもらえるよう、どんな食材が使われているか、どう調理されているか、可能なら写真も載せておこう。
英語版Webサイト
英語メニューと並んでこちらも定番。日本語版サイトがなく英語版だけ用意しているお店もトップ10の中にはあった。メインターゲットが訪日外国人ならなるほど日本語版は用意する必要はない。非常にクレバーだ。
また、中国語のサイトを用意しているお店もある。居酒屋やバー、レストランで観光に来ている中国の方を見かけることは少ないけれど、NHKの『世界入りにくい居酒屋』を観るにつけそうした夜の文化が無いわけではない。お店によっては英語よりも中国語でサイトを用意した方がいいだろう。
英語でのやりとり
英語でやりとりできるところが評価されているお店もあった。やりとりというと英会話が浮かぶかもしれない。それはもちろんだけれど、英語で予約のやりとりができることも含まれている。Webサイトから英語で予約が取れるところを評価しているレビューも実際にあった。英会話は自信がなくとも英語で読んだり書いたりができるなら英語の予約フォームを作ってみるのもいいだろう。
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