初めてネット記事でAirbnbを知ったのが2014年、あれはWIREDの記事だったろうか。そして昨日、そのAirbnbがハードウェア企業を買収したWIREDにあがっていた。
Airbnbで貸し出される部屋/家に必要なハードは決まっている。Wifiルーター、アメニティ、鍵、それからウェルカムワイン。
安直に考えれば、Airbnbがそれらハードを作り、Airbnbホスト(貸す側)へ提供しようということだろうか?
さて、今年の3月にタイ旅行をした際、気になっていたAirbnbを使ってみた。
Airbnbで調べたタイの物件はどれも、日本だと港区のタワーマンションかと思うぐらい素晴らしいものばかりだった。
それで、滅多に行く機会もないからせっかくということで、三泊四日で毎晩宿泊する部屋を変えてみた。
残念ながらAirbnbに載っている写真より劣るところもあれば、また泊まりたい部屋もあった。
この違いはなんだろうか? がっかりする部屋と、そうでない部屋。
それは、先日のシルバーウィーク中、東京へビールを飲みに行った二泊三日で再度Airbnbを使ったときによくわかった。
それはホストの違いだと。
ホストの対応ひとつで部屋の印象まで変わるのは不思議だけれど、それは事実としてある。
最近では、学生のちょっとしたアルバイトとしてAirbnbに関わっている人もいるぐらいありふれたサービスになりつつある。そこで改めて、利用者から見た良いホスト・悪いホストを考えてみたい。
予約確認は素早く、詳しく
Airbnbで部屋や家を取るのは、クレジットカード番号を登録しているのもあってすごく早い。それは、ちょっと不安になるぐらいのスピードで、ボタン一個押すだけで予約が完了する。
※予約依頼にホストがOKを出して契約成立となるケースもある。
これは今までの宿泊系Webサービスの利用感覚から来るのだろうけれど、そこまでサクッといい部屋を予約できるから、逆に不安になる。
だから、ホストからの予約後のメッセージ(予約を確認しましたという返信がホストから来る)が遅れたり、そのメッセージに詳しい情報が載っていないと不安になる。
これまでで当たりだったホストは、予約から半日以内にはメッセージを送ってきたし、部屋の鍵の受け取り方からwifiのパスワード、チェックイン/チェックアウト時間、近隣のおすすめ観光スポット、連絡先などなど、長文のメッセージを送ってきた。
ビジネスや、そこまでいかずともお小遣い稼ぎとしてAirbnbをやっている人が多いけれども、Airbnbというサービスの方向性は、個人間で部屋や家を貸しあうカジュアルなもの。
だからこそ、予約確認は素早く、長文になってもいいから詳しく書いているほうが安心できる。
部屋の写真を載せる
当然だけれど、Airbnbには部屋や家の写真を載せることができる。個別ページのファーストビューが写真だから、まずここで泊まりたいかどうか判断する。
当然、写真の出来が悪くて部屋が汚い感じに見えれば、泊まりたい気持ちも半減してしまう。
創業者たちが、Y-Combinatorというアメリカの起業家養成団体に所属していたころ、ホストたちに写真の撮り方についてアドバイスすると予約数が伸びたというから、よほどAirbnbに載せる写真は重要なのだ。
特に日本の物件に多いのだけれど、この写真の画質が、ガラケーなの??というぐらいひどかったり、ホストたちの写真ばかりで部屋の写真が少なかったりすると、もうそれだけで候補から外れてしまう。
写真の心得がある人に撮ってもらうのが一番いいだろうけれど、今は個人でもそこそこの写真が撮れる時代。借りたい人をグッと惹きつけられれば御の字だけれど、せめて、部屋の写真を多く載せる、部屋周辺のエリアの写真も載せる、ホストの写真はそこまでプラスにならないから控える、この3つを守り、借りる人の候補から外されないようにしよう。
※逆に、タイの場合は写真写りが良すぎて、見てみてガッカリなこともあった(笑)それでも、元から写真写りが悪いよりはマシだろう。
まずはこういう本でサクッと基礎を総ざらいするだけで、2レベルぐらい良い写真が撮れるようになる。
キャンセルしない
今回の東京ビール旅行で一番困ったのは旅行出発3日前のこと。ホストから予約をキャンセルされてしまった。
あまり詳しく書くとアレなのだけれど、キャンセルの理由も詳しく書いていなかったから、そのホストから借りることはもうないだろうなと思ってしまった。
面白いのが、その次のホストにもキャンセルされたこと。こちらは、「他のサイトでも部屋を予約に出していること」、「そっちで先に予約が入ってしまったこと」、「シルバーウィーク直前だからバッティングする可能性が高いこと」が説明されていて、全く悪印象はなかった。キャンセルするにも納得させないとね。
もちろん、キャンセルしないのがホストにとっても借りる人にとっても一番良いから、ホストの人はできるだけキャンセルしないほうがいい。そして、キャンセルするとしても、その理由を懇切丁寧に説明すること。
余談だけれど、Airbnbは、ホストがキャンセルした後の対応が素晴らしい。
キャンセルになった後、すぐにヘルプメールが飛んできて、「キャンセルされて残念だと思います。でも大丈夫!私たちがついています!」というフォロー文、再予約時にAirbnbから補助金が出るケースがあることが書いてあり、わからなかったところを質問すると、30分ほどで電話がかかってきた。サンフランシスコ – カリフォルニア州(シリコンいっぱいのバレーから?)よりの電話だった。電話番号だけそっちになっているのかもしれないけれど、これにはマジで驚いた。このレスポンスの早さどういうことよ。
個人間のやりとりを仲介しているだけではなく、そこで生じるトラブルを積極的に解決しようとしている姿勢が見えて、よりいっそうAirbnbが好きになった。ありがとうAirbnb!!
ウェルカムワインはうれしい
部屋に入ったとき、ウェルカムワインなんかのちょっとしたプレゼントが置いてあると、Airbnbという個人間のサービスで借りている心境からしてすごく嬉しい。
これはタイのコンドミニアムに泊まったときのもの。写真を載せて気づいたけれど、ワイン意外にもキャンディやお水があった。水道水が飲めないタイでお水は本当に嬉しい。ワインしか覚えていなかったけれど。
元ホテルマンの人がホストやっているのかな〜と思うぐらい、この部屋は良くできていて、ベッドの上にはパンダちゃんがちょこんと。思わず女子みたいにはしゃいだ僕は20代も峠を越しました。
こういうサービスは本当にちょっとしたもので十分。そうしたものがあるだけで、これからの旅に明かりがともるような気がしてくるから、労力の割にその効果たるやというもの。
京都はAirbnbがマッチする
さてさて、いいホストの条件を偉そうにも並べ立てた今回の記事はどうだったろう?
書いていてふと思ったのは、京都にはAirbnbがすごく合うよな〜ということ。外国人観光客が多いこと / 街中でふつうに外国人がいるから、観光客も安心できること / 京町家なんかにAirbnbで泊まれたら素敵などなど、京都でAirbnbが普及すればいいな〜と感じるところは多い。
もう既に、京都に物件を持っている人がAirbnbを使ってお小遣い稼ぎするケースや、そのための勉強会もあるみたいで、オリンピックのころにはどうなっているんだろうと期待に胸が膨らむ。そういえば、東京は大田区が、実質的にAirbnbのための条例を作ったね。
実際に東京やタイで見たところ、Airbnbによって、部屋を清掃する仕事で雇用も生まれるから、ホスト、借りたい人、それからAirbnbという三者だけの話ではなく、そこに介在する人たちも含めて、これから注目していきたい。
追記
2015/10/09放送のかんさい熱視線で、民泊(Airbnb含む)について特集されていた。
放送によると、東京、大阪、名古屋、京都が民泊特区に指定されたようで、より一層民泊が流行るに違いない。
連休中のホテルは、よほど運が良くないと予約が取れないのと、割高になる。だから民泊が注目されるというのも頷ける。
不動産の賃貸収入が、Airbnbを使って民泊にしただけで三倍の収入になった例もあるそうな。
2020年に向けて、民泊とその周辺が盛り上がってくると思うとワクワクする。