京都は特に外国人が多いのか、バーやカフェ、レストランなどの飲食店で外国人を見かけることもしばしば。これほどよく見かけるようになったのは本当にここ数年の話で、訪日外国人の多さというものが、データだけではなく実感として迫ってくる。
そんな外国人観光客の方々はどうやったらお店に来てくれるのだろう?と悩んでいるなら、その答えの1つは「クレジットカード決済」である。
ここでひとつ、飲み屋の店員と外国人の会話あるある。「カード使えますか?」「使えません」
そう、大体において外国人の方はクレジットカードで払いたがる。
しかしながら、カード決済を導入するのは一苦労だし、手数料だってばかにならないから、こうなってしまうのも仕方のないこと。
そんな現状に一筋の光を差し込むサービスが、Twitterの創業者ジャック・ドーシーが作ったSquare(スクエア)だ。
ちなみに、クレジットカード決済導入以外のインバウンド対策はこちらを読んで頂きたい。
外国人観光客に飲食店を知ってもらうには? お手軽にできるインバウンド対策まとめ
Contents
Squareとは?
iOSやAndroid端末にカードリーダーを差して、クレジットカードのモバイル決済ができるサービス。
非常に安価にカード決済を導入することができることや、お店への支払いが素早いことなどが理由で日本でもじわじわとシェアを広げている。
これまで、Yahooのマリッサ・メイヤーなどの錚々たる面子から投資を受けていることから、これからの成長が期待されるサービスだ。
東京オリンピックを見据え、2020年には全てのクレジットカードがIC化される。
クレジットカード全てIC型に ビザなど、20年までに | 日本経済新聞
スクエアはICタイプのクレジットカードにも対応しているから、カードリーダーを切り替えるタイミングでスクエアを検討して頂きたい。
Squareの良さは導入の簡単さにある
現状、クレジットカード決済を導入しようとすると、各カード会社と個別に契約するか、カード決済を代行している会社に一括でお願いすることになる。
もちろん、後者の代行会社を使うのが最も簡単なのだけれど、それでも導入までに3週間ぐらいは見ておかなければいけない。
ところがSquareときたら一週間ほどでカード決済を導入できるから驚きだ。
さすがシリコンバレー仕込みというべきか。とにかく使いやすさの面では群を抜いている。
そしてもう一つ驚きなのが、その手続が極限まで簡便化されていること。
- Squareに登録する。
- Squareリーダー(クレジットカードリーダー)が届く。
- Squareレジアプリ(無料)をダウンロードする。
- iOS / Android 端末のイヤホンジャックにSquareリーダーを挿入してカード決済開始!
これ以上簡単になるだろうか? と思うほど簡単になる。膨大な書類手続きがないから個人でも気軽にカード決済を使えるようになっている。
余談だけれど、ホリエモンこと堀江貴文氏は2013年時点ですでにSquareを利用している。
堀江貴文さん「情報収集しててこのガジェットすごいと思ったらすぐ試す!」
個人でクレジットカード決済を導入できるなんて誰が予想できただろうか? しかし、Apple Payなどのキャッシュを介さないお金の受け渡しが広まっている昨今、カード決済といえどもカジュアルに使える世の中になっていくのだろう。例えばデンマークのように、お祭りの屋台でもクレジットカード決済ができるぐらいになったら、どんなにか支払いが早く済むことか。あるいは、「ATMやってなくて困った……」みたいなことも無くなるんだろうな。
また、三井住友と提携している安心感や、支払いが翌営業日に振り込まれる(銀行による)こともSquareをオススメする理由だ。
でも、お高いんでしょう?
前述の決済代行会社は、月額で固定の手数料が必要なところもある。その点、Squareは月額手数料やキャンセル料、銀行振込手数料、解約料はタダだから頼もしい。
その上、Squareリーダーが無料なところも嬉しいポイント。シーズンによって違いはあるみたいだけれど、2015年10月末まではリーダー代金が無料となっている。
つまり、Squareに登録して実際にカード決済を始めるまで一切お金がかからないことになる。
元々カード決済手続きが簡単であることに加え、これだけ安価となると、「ちょっとやってみるか」ぐらいの気持ちで導入できる。
お金を払わないといけないのは決済時だけで、それも3.25%と業界最安値をいっていて、どれだけユーザーフレンドリーなんだと嘆息を禁じ得ない。
Squareでもレシートを出せる
Square単体ではレシートを出せない。既存のレジスター機はプリンターを内蔵しているけれど、Squareはアプリとクレジットカードリーダーしかないからだ。これはSquareに限った問題ではないけれど、ともかくお客さまにとってはレシートが欲しいところだろうから、何とかしてレシートを出せるようにしなければいけない。
そこで役立つのがSquareレジとモバイルプリンターだ。iPadにSquareのPOSシステム(Squareレジ)を導入すれば、従来のPOSシステムと同じくレシートを発行でき、iPadにモバイルプリンターを接続すれば、そのレシートを印刷できる。もしプリンターがなくとも、お客さまのメールかSMSへレシートを送ることができる。
気になるSquareレジのお値段だけれど、ダウンロードは無料、決済ごとに3.25%あるいは3.75%の手数料がかかる方式になっている。つまり、導入するだけであれば無料だ。モノによっては百万円以上もするPOSシステムが嘘に思える料金設定だ。
モバイルプリンターはこちらが人気だ。
Squareにまつわる不安
これだけユーザーフレンドリーなサービスだと、逆に不安になるのが人間心理というもの。特に、カード決済を利用するお客さま側を心配させるようなことは絶対に避けたい。
数カ月前、Squareリーダーをハックしてスキミングに使えることが明らかになった。
小型カード読み取り機「Squareリーダー」をハッキングしてスキミングに利用できることがあきらかに
これに対してSquareは、問題は磁気カードの脆弱性にあるとコメントしていて、ICカードタイプのクレジットカードを使うことを勧めている。確かに、磁気カードによる危険はSquareを使おうが使うまいが関係のないこと。
最新のSquareリーダーはもちろんICカードに対応しているから、2020年のクレジットカードIC化を迎えれば、こうした心配も不要になるだろう。
Squareが普及した未来を考えてみる
それこそ個人レベルでカード決済が行えるSquareが普及すれば、今よりも格段にクレジットカードを使える機会が増える。
そういう時代になって一番嬉しいのは、これまで主に現金で会計をしてきたお店だ。
Squareリーダーで会計をした場合、その販売データが記録されるから、一日の売り上げをまとめるという作業そのものが不要になるし、そうした手作業で発生するミスもなくなる。その分の時間を、ビジネスの本来的な部分に使えるとしたら、これほど素敵な話はない。