空想の秋。自動運転車が一般的になった未来を考えてみた。

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いやー、虚構新聞はいつも笑わせてくれる。真面目にバカやってる典型として、これからも一流のエンターテインメントを届けてほしい。

自動運転車、運転手置き去りで帰宅多発 米

ちょっと前の記事だけれど、自動運転車について調べていたときに出たのがこの記事。

もちろん嘘ニュースなんだけれど、Apple Watchに代表されるスマートウォッチと、自動運転車が組み合わさったときの、手が届きそうな未来のことを考えていて、なおかつそれをコメディに落とし込んでいるから素晴らしい。

こういうのを書けるセンスって、深夜ラジオのコーナーに投稿するネタを考えるのと被ると思うのだけれど、知らず知らずのうちに虚構新聞の中の人のネタを聴いていたりするんだろうか?

 

さてさて、10月29日からはじまる東京モーターショーでは、自動運転車の試乗ができるそうで、「それは試乗というのだろうか?」という、イノセンスでアンドロイドが自殺することを自壊と言い直したような違和感はともかく、いよいよ市場に自動運転車が出回る匂いがして楽しい。

 

テスラのモデルSなど、自動運転を一部取り込んだ車は既に出回っている。

【レポート】テスラ、自動運転システム「オートパイロット」のベータ版を一部のオーナーに配信

それら自動運転は、あくまでドライバーの補助という役回りで、完全自動運転車ではない。

今回は、完全自動運転車が一般的になった世界のことを空想してみた。

本も読みたくないほど疲れている電車の帰り道や、ビールの飲み過ぎでソファの上でスライムのようになっているとき、いま注目されている技術が一般的になった世界のことを空想してみる遊びが捗る。村岡花子よろしく、空想の翼を拡げるわけだ。

そうして生まれた空想を、徒然書き連ねるものなり。

 

タクシーと相性がいい

完全自動運転車は、決まった地点から決まった地点へ人を運ぶという、タクシーの性質と相性がいい。

もし、完全自動運転タクシーができれば、運転手にかかる人件費がカットできるわけだから、既存業界の抵抗がなければ、今よりもタク代が安く済むようになる。

そうすると、今よりもっとカジュアルにタクシーが使われるようになり、夜遊びの行動範囲が広がる。滋賀→京都→大阪みたいな飲みコースも、バスや電車なしに可能になる。

いやいや、その時代にはバスとか電車も自動運転になっているだろう。そうすると、終バスや終電がなくなり、眠らない町が完成され、完全に昼夜逆転する人たちが増え、昼と同じような夜の生活圏ができ、日が沈んでいない以外は昼と変わらない生活が夜に築かれる。

とはいえ、健康や成長に太陽の光が必要だということはよく聞くから、今よりすこし夜型人間が増えるぐらいで落ち着くだろうか?

 

Uberと相性がいい

タクシーをアプリ経由で配車してくれるUber。最近は東京でもサービスを始め、いよいよ勢いを見せている。

思えば、Uberこそ完全自動運転車と相性がいいのではないだろうか。

Uberで問題になるのが、ドライバーと乗客のいざこざ。それでシャレにならない凶悪事件も起きている。

手軽にハイヤーが呼べるサービス”UBER”に生じた問題の数々

Uberは、個人がタクシー会社を介さずに運転手として働けるから、そこのところも数々の問題の一因になっている。

そこにきて完全自動運転車はドライバーがいないのだから、こうした問題が起こるリスクは低い。

車が乗っ取られないようにするため、今以上の装備が必要なこと(外だけではなく、車の中からの犯罪も防ぐ必要がある)、車の行き先をハッキングされないようにすること(ここを簡単にいじれると、今と同じような事件が今よりも簡単に発生してしまう)など、対策することはいくつかあるだろうけれど、Uber+完全自動運転車が現実になったとき、タクシー業が主婦の副業になる。お昼のワイドショーはこうだ、「ラクラク簡単!タクシーでお小遣い稼ぎができるってホント??」

車のメンテナンスや洗車などのお手入れさえやっておけば、後は勝手に街中でお金を稼いできてくれるわけである。こんなに楽な商売があるだろうか。

しかし、簡単であればあるほど競合も多くなるから、価格競争が起きて更にタク代が安くなる。

人件費が削られ、配車もアプリ任せになると、本当に今のバス代ぐらいの値段になるんじゃないだろうか?

※2015年10月現在、Uberは、UberXにおいて最低価格を定めている。

 

そして攻殻へ

完全自動運転車が一般的になった社会で重要なのは、完全自動運転の安全性

各国/地域の安全基準をパスするため、完全自動運転のテストが行われるだろう。

楽々と基準をパスするもの、ギリギリなもの、アウトなもの……。

アウトな車はどうするか? 各安全基準テストに特化したソフトウェアを積んでテストを受けようとするところもあるだろう。そう、排ガス規制におけるフォルクスワーゲンのように。

もちろん、根っこの問題は解決していないから、そういう車の危険性は変わらない。

そうした車が起こした人身事故で、メディア(この時代のメディアはどんなのだろう?)は大いに騒ぐ。「完全自動運転車が人身事故。責任の所在は」と。

オーナーが車の整備を怠っていたために起こった事故だと主張し、自動運転アルゴリズムの不備を認めないメーカー、動的に車の状態をチェックし、それに合わせて自動運転を行うべきだとブロガー、完全自動の不買運動、ひた隠しにされる「基準テストを不正にパスした事実

攻殻機動隊、それもTVアニメ1st season 「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX」が匂う。

※というか、自動運転じゃないけれど、似たようなエピソードはあった気がするな。

 

単なる空想だろうか?

今年に入り、Appleが自動運転車を開発していると噂されるなど、自動運転への注目度は高まり続けている。

タクシーにかぎらず、宅配や観光など、完全自動運転車が大きな役割を果たしそうな仕事は他にもあるから、それも頷ける。

その巨大な金の匂いを嗅ぎつけたプレイヤーがしのぎを削っている段階だろうか。

個人的には、スマートウォッチが描く未来よりは、完全自動運転車が描く未来のほうが実現に近いと思う。

※健康管理なんてどうでもいいっての!

 

追記 五輪までに実現するかも?

この記事を書いた翌日、京都で開かれた科学技術系の国際会議で、東京五輪までに自動運転車を実用化させたいと安倍首相がコメントした。

首相 東京五輪までに自動運転車の実用化を

この記事を京都で書いていたのと同じ日に、同じ話題を京都で会議されていたなんて、なんだか不思議な偶然だなと思ったので追記する。