最近、Arduinoってどうなってるんだろう?

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あれは2012年の冬だったか。会社が年末年始休暇に入るのにあわせ、我が家にArduinoがやってきたのは。

すごく冷えたあの冬に買ったWIREDを読む内にArduino UNOを見つけ、気づいたときにはスターターキットをAmazonでポチっていたほど、有無を言わさない魅力があった。

それからしばらくはArduinoを使って電子工作をするのにハマった。手を叩くと光る照明のような、ごく簡単な物でも、完成したときはすごく嬉しくかったし、世界一クールに見えたのを覚えている。あれは何か、自分で料理を作ったときの感覚に似ていた。

 

 

それが高じてお仕事で電子工作をやらせてもらったり、MAKERS系の集まりにも出るようになったりと、Arduinoに出会えてよかったと本気で思う。披露宴のスピーチじみてきたな。

 

Arduinoは絶賛分裂中

そんなArduino、とんと話を聞かなくなったなと思い、色々ニュースを漁ってみると、内部分裂があったそうで驚いた。

Arduinoの内部分裂について

Arduino LLC (米)とArduino SRL (伊) という二つの会社が正当性を争っているそうな。Arduino LLCはArduinoの開発者たちが創業した会社で、Arduino SRLはその開発者のうちのジャンルカ・マルティノが経営している。

ArduinoはMAKERSムーブメントのイコン的存在だったから、そこがグラグラ揺れているのは悲しくさせるものがある。

その後、サンフランシスコ ベイエリアで開かれたMaker Faire Bay Area 2015で、Arduinoの姉妹ブランドであるGenuinoが発表された。

THE STATE OF ARDUINO: A NEW SISTER BRAND ANNOUNCED

この発表はArduino LLCから為されたもので、Arduinoを完全に置き換えるものではないところがややこしい。

曰く、アメリカではArduino、アメリカ以外の国ではGenuinoを使うそうな。

これは、Arduinoの商標を巡ってArduino LLCとArduino SRLが現在も争っているためで、両者が和解すればいずれまたArduinoに統合されるかもしれない。

 

言わば苦肉の策としてGenuinoを打ち出したArduino LLCだけれども、新プロダクトの開発は続けていて、つい先日もArduino/Genuino 101を発表したばかり。

Intel Curie搭載のArduino 101(Genuino 101)発表、価格は30ドルで「理想的なArduino Unoの後継者」

こういう業界に内部分裂はつきものだから、この分裂がそう悪い結果になる気はしていない。どこかでお互いが譲歩できる着地点を見つけるか、Node.jsとio.jsのように統合されるか。

どうなるにしろ、Javaのようにならないことを祈るのみ。

 

余談 関西のMAKERSは今

MAKERSの集まる場所というか工房みたいなものが世界中にあって、ファブラボと呼ばれている。

関西でいうと、大阪にファブラボ北加賀屋がある。今年で二年目くらいになるだろうか。会員になったりやめたり、そうかと思えばワークショップに顔を出してみたりとゆるく関わらせてもらっている。

モノを作りたいという思いがまず第一にあるのはもちろん、そこに集まる人たちの面白さに惹かれて、というところもある。ウェアラブルおもちゃのMoffを立ち上げた人も来ていたりして、遊びに行く度に刺激を貰える。

 

そんなファブラボ北加賀屋で、10月中ごろに第三回日本ファブラボ会議が開催された。

FAB CAMP

日本国内のファブラボ運営者が集まるイベントで、残念ながら参加できなかったのだけれど、大いに盛り上がった様子がアップされている。

 

TOACHのある京都はどうなのかというと、これまで京都工芸繊維大学でMAKERS系ワークショップがやっていたりした。面白そうなことばかりやっているけれど、学外の人も参加できるようにしてくれればな〜なんて思っている。

今秋には MTRL KYOTO (マテリアル京都) というクリエイター向けコワーキングスペースがオープンする。ここには3Dプリンターやレーザーカッターなんかもあり、モノづくりのための場所でもあるから期待している。

MTRL KYOTO

 

世界のMAKERSが作ったアメイジングなもの、クスっとくるものは、このMakeという雑誌に載っている。