良い飲食店の条件ってなんだろう?おいしい料理、お酒、そうしたところはもちろんとして、『人』も大事なポイントだと思う。
いいお店には、いい店員さんがいる。いわゆる名物店長のいるお店は地元の人に長く愛されている。そんなスタッフのいるお店で食べる料理はよりおいしく感じるもの。
こんなところを実感できるのが、NHK BSプレミアムで放送している『世界入りにくい居酒屋』だ。
世界入りにくい居酒屋って?
2015年10月1日から放送している、NHK BSプレミアムのテレビ番組。無料チャンネルなので、BSを観ることができればロハで視聴できる。
※BSのDlifeというチャンネルもオススメ。アメリカンドラマやリアリティショーを無料で流しているから、その向きが好きな人にはとってもたまんない。
『世界入りにくい居酒屋』の内容はタイトルそのまま。地元の人に愛されているお店(居酒屋、レストラン、バーなど)に番組スタッフが密着し、そこに来るお客さんや名物店長をレポートする。また、いとうあさこ、大久保佳代子、島崎和歌子、安田美沙子、篠田麻里子、南明奈らが映像を見ながら、お家でテレビを見ているような感じでツッコみつつナレーションするのも興を添えている。
番組でピックアップされるお店は、街の深くにある、ガイドブックに載っていないお店で、地元人に愛されているところばかりだ。一体、これ以上の確かな評価があるだろうか?ゴーストバスターズの大ボスのようなキャラの評価より確からしいかもしれない。
店は人
『世界入りにくい居酒屋』を観ていると、いい店は人が作るんだなと改めて思う。店員とお客さんが親密で、しかしながら閉鎖的ではない。そんな関係が生む、いい雰囲気の空間には自然と人が集まる。
電車に乗っていると、みんな手元のスマートフォンを見て自分の世界に入っているけれど、この番組を観ると、どんな時代でも人は人と集まりたいもんなんだなと感じる。
※余談だけれど、『ゼロの未来』というテリー・ギリアムの映画で描かれる、近未来のホームパーティがおもしろい。パーティにも関わらず、みんな自分のスマホやタブレットを見て、イヤホンをしてお気に入りの音楽を聞いている。「家で一人で出来るじゃん!」と笑っちゃったんだけど、それでも人と集まりたいってことかと膝を叩いた。
世界入りにくい居酒屋は、入りやすさに繋がる
地元の人ばかりのお店というと、個人的には心のハードルが上がるように思う。しかもそれが海外だったらなおさらだ。ところが、『世界入りにくい居酒屋』はそのハードルを下げてくれる。店員とお客さんが一緒に作る楽しい空気、どんな人がお店にいるのか、そんなところが一度にわかるからだ。『中の人』がわかると、グンとハードルが下がる。『世界入りにくい居酒屋』で紹介されたお店は、もはや入りにくくない。
TOACHが運営しているWebマガジン『White Horses』は、なるべくこのポイントが伝わるような作りを心がけている。『世界入りにくい居酒屋』と、奇しくも伝えていることが同じだから、この番組を見つけたときは嬉しくなった。そして、海外でもそれは同じなんだということも分かった。今後も、世界中の入りにくくて入りやすいお店を見れたらいいな。