日本のアニメ映画やOVAは、今ほどアニメが市民権を得ていなかった頃から現在に渡り、様々な影響を他作品に与えてきた。
それこそ海を越え、山を越えて。
その中には数十年前の作品も多いけれど、今でも通用するものも多い。
今回は、そんな劇場アニメとOVAのおすすめ42作品をまとめて紹介する!
Contents
トップをねらえ!
「一万二千年を旅する主人公」
「数億の敵の大群の端から端までが冥王星の軌道直径とおなじ」
「木星を爆弾にする」
「たった一つの素粒子で作られた戦艦」
何のことを言っているかわからないと思うけれど、はじめてトップをねらえ!を見た時もそのぶっ飛び加減に僕自身意味がわからなかった。
ちょっと笑っちゃうぐらいのスケールの大きい設定、メカ、演出に心を震わせられる名作OVA。
クリストファー・ノーランの「Interstellar(インターステラ―)」で、他の星での1時間過ごすと地球で7年進むっていう想像を越えたレベルの設定にブルブル来ちゃったものだけど、こっちはもっとすごい。
ジャンル : ロボット、SF
原作 : 岡田斗司夫
監督 : 庵野秀明
アニメーション制作 : GAINAX
トップをねらえ2!
「ブラックホールに地球をぶつける」
「マイナス1兆2千万度」
「マイクロブラックホールを操るロボット」
「星を輪切りにするビーム」
トップをねらえ!の続編だけれど、こちらも負けず劣らずスケールでかい!
GAINAXのロボットものは、やっぱりこのスケールのでかさだわ〜と再認識させられる作品。
前作を観ていなくても楽しめるけれど、最終話で感動したいのであれば前作は必見。
バランスのいい未来観
近未来もののSF作品にありがちな、何でもかんでも未来的すぎて作品に没入できないといったことがなく、現実世界と比べるとハチャメチャに技術が発達した時代を舞台にしているけれど、宇宙空間で車が渋滞したりといったレトロフューチャー感がバランスいい。
実写映画でいえば「Gattaca(ガタカ)」や「her / 世界でひとつの彼女」に通じるセンス。
ジャンル : ロボット、SF
原作 : GAINAX
監督 : 鶴巻和哉
キャラクターデザイン : 貞本義行
アニメーション制作 : GAINAX
天使のたまご
難解すぎて笑えてくる劇場アニメ作品。
よく企画が通ったなと思うものだけれど、スポンサーの徳間書店には「男女の物語」と説得したらしい。
そんな馬鹿な。
とはいえ、徳間書店時代の鈴木敏夫(後のジブリ名物プロデューサー)と押井守が出会ったのがこの作品だということだから、なるほど何か感じるものが鈴木敏夫にあったのかもしれない。
難解すぎて干される
あまりに訳のわからないものを作ったため、その後「機動警察パトレイバー」の企画が来るまで干されたと押井守自身が語っているけれど、さもありなん。
アニメや漫画の展覧会が開かれるようになった現代なら受け入れられそうだから、単純に時代が追いついていなかったとも思う。
この作品を一回も瞼落とさずに観れる人を先生と呼びたい、そんな作品。
ジャンル : ファンタジー
監督 : 押井守
キャラクターデザイン : 天野喜孝
アニメーション制作 : スタジオディーン
パトレイバー2 the Movie
こんなにもロボットが動かないロボットアニメがあるだろうか。
元々、パトレイバーという作品はロボットがカシャカシャ動かない作品。
ロボットアニメでロボットが動かないなら何が楽しいの?と思うかもしれないけれど、ロボットの周辺が徹底的にディテール細かく描かれるから、いつの間にかその前提に慣れるし、その人間ドラマ部分が楽しい。
この「パトレイバーあまり動かない問題」を分析している人がいて、かなり読み応えがあるから読んでみてほしい。
「論」が主体のロボットアニメ
最近は実写化に合わせてリアルパトレイバーが東京に登場したり、何かと話題になる本シリーズは、アニメバージョンでは三回も映画化されている。
パトレイバー2 the Movieはその二作目にあたり、ロボットものというよりは刑事物と言ったほうが適当なほど人間オンリーなシーンの多い作品。
だけれども、人間ドラマを描いた作品ではなく、ロボットをあくまで世界観の一部に据え、その世界でテロが起きるとしたらどうなるかといった、「論」が本質な作品になっている。
しかしそれだけではこの作品が高く評価されることはなく、またまた天使のたまごよろしく「難解な」作品になっていたはず。
そこを映画に仕立てられたのは、ラストの情感たっぷりなシーンによるところが大きい。
ジャンル : ロボット、SF
監督 : 押井守
脚本 : 伊藤和典
原案 : ゆうきまさみ
原作 : ヘッドギア
音楽 : 川井憲次
Colorful(カラフル)
登場人物である天使の関西弁がいちいち鼻について、しばいたろか!ってなるけれど、ちょっと我慢して慣れることができれば、近年では新海誠作品と並んでトップクラスの雰囲気シーンと僕の中で名高いラストシーンを拝める、学園ドラマ作品。
餅は餅屋というけれど、アニメ作品の声を、声優として訓練されてきた人以外がやることには違和感を感じる。奇妙な棒読み感がでるから。
「奇妙な」と書いたのは、おそらく実写作品で観る限りではむしろその方が自然なトーンで、アニメの吹き替えには合わないだけだけだから、アニメ世界の中での自然さと現実世界での自然さが乖離しているから。だから、アニメトーンで実写をやるとそれはそれで不自然になる。
ふと、「不気味の谷」を考えた。ヒューマノイドが人間に近づいて、ぎりぎり人間になりきれないところだと不気味だと感じる現象。その気持ち悪さの後ろには、人間か、ロボットかという判断がつかないことも与しているはずだけれど、アニメと実写に間にもそれはあって、だから声優じゃない人が声優をやると違和感を感じる。
関西弁の違和感はそのせいなのか、あるいは単純にエセ関西弁だからなのかは定かでない。
放課後の屋上にグッとくるよ
ここまで書いておいて何だけれど、そんな違和感はどうでもよくて、このアニメはラストシーンのためにある。
放課後、誰もいなくなった夕方の学校にノスタルジーを感じる人なら、脳裏にやきつくほどイイシーンがあるから、観て「ええな〜」となってほしい。
ジャンル : ドラマ、学園
監督 : 原恵一
脚本 : 丸尾みほ
原作 : 森絵都
音楽 : 大谷幸
出演者 :富澤風斗、宮崎あおい、南明奈、麻生久美子、高橋克実
主題歌 : miwa「僕が僕であるために」
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