絶対に見た方がイイ名作アニメ映画 / OVAのおすすめ42選! 第拾話

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日本のアニメ映画やOVAは、今ほどアニメが市民権を得ていなかった頃から現在に渡り、様々な影響を他作品に与えてきた。

それこそ海を越え、山を越えて。

その中には数十年前の作品も多いけれど、今でも通用するものも多い。

今回は、そんな劇場アニメとOVAのおすすめ42作品をまとめて紹介する!

 

機動戦士ガンダムUC(ユニコーン)

モビルスーツがグリグリ動きまくるだけで感動する人向け、「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」の直接の続編。

ロボットSFとしては今のところトップレベルのアニメーションを見せる。ガンダムシリーズに絞れば最高に値するアクションで溢れている。

 

カトキハジメデザインのロボットがグリグリ動く

メカニックデザインは、数々のガンダムプラモで名作を生み出し、アニメ制作にも関わってきたカトキハジメ。

カトキハジメデザインの特徴は、これでもかというぐらい細かいディテールをロボットに施すところにあるが、それが不思議とやり過ぎになることがなく、ロボットがかっちょよく見えてくる。

ただ、あの細かさのものはデジタル制作でしか完全にはアニメ化できなかったろうと思う。

そんなわけで、カトキハジメデザインのモビルスーツがヌルヌル、グリグリ、ザクザク動く機動戦士ガンダムUCは、動いているだけで面白い!という原初的なアニメーションの楽しさを思いださせてくれる作品だった。

 

ジャンル : ロボット、SF

監督 : 古橋一浩

ストーリー : 福井晴敏

メカニックデザイン : カトキハジメ、佐山善則、石垣純哉、玄馬宣彦、明貴美加、小倉信也

制作 : サンライズ

公式 : 機動戦士ガンダムUC[ユニコーン]

 

AKIRA

劇場アニメをオススメしておいて、これを紹介しないと嘘だろというぐらいの名作「AKIRA」

「童夢」や原作の「AKIRA」で知られる超細密な画風の国際的な漫画家  大友克洋の画をアニメ化するという狂気のプロジェクト。

当時の劇場アニメとしては破格の10億円が投じられており、その気合の入り方が伺える。

その甲斐あってか、本作は日本国内のみならず、海外でも高く評価されていて、最近では「マッドマックス 怒りのデス・ロード」の監督 ジョージミラーが影響を受けたと公言している。

ジョージ・ミラー監督インタビュー | 映画ナタリー

大都市版マッドマックスとでも言おうか、大崩壊後の東京をサバイバルする若者たちを描くストーリーで、「超能力」や「暴走するメカ」といった大友作品に頻出のモチーフも現れる。

 

暴走する弱者

超能力を得て、主人公 金田たちの前に立ちはだかるのは金田の元 暴走族仲間・鉄雄。

「サマーウォーズ」や「パプリカ」でも出てきた、「コンプレックスが強い人が力を持ってしまって暴走する」を地で行くキャラクターで、それだけに人間らしい一面も併せ持つから、そのキャラクターの生死はどうあれ、主人公サイドに受け入れられて終わることが多い。

このようなキャラクターは、AKIRAの大ファンだというジョシュ・トランクの「クロニクル」や、スティーブン・キング原作「キャリー」など海外の映画にも出てくる。

最も力を欲しがっていた人が、その力で暴走して身の破滅を招くというのは、理解しやすいストーリーではあるけれど、そのキャラクターにとっては閉塞感すごいよなあと感じる。力があってもなくても幸せになれないのだから。

それは、暴走する弱者を悪者に位置させるお話の構造上、仕方がないことなのだろうか? 元々、悪者サイドで、力を得て正義に目覚めるというような構造であれば、新しい「暴走する弱者」像が観れそうだ。

 

クロニクルはハリウッド版AKIRA

AKIRAには三つの軸がある。

一つは、不良少年たちによる崩壊後の世界のサバイバルで、こちらはマッドマックス的世界観。

二つ目は、前述の、力を持った弱者のコンプレックス解消物語。

最後は、超能力って一体何? AKIRAって??という謎解きの部分。

前述の「クロニクル」はかなり強くAKIRAの影響が見られるが、三要素のうち、二つ目の要素に特化していて、後に暴走するアンドリューというキャラクターのゆるやかな癒やしが描かれた後、勘違いによる孤独から暴走を始める。

こうした構造がハッキリと描かれているからこそ、暴走シーンのアンドリューの切なさを感じやすくなっていて、その点はAKIRA超えしている。

 

ジャンル : SF、超能力

監督 : 大友克洋

キャスト : 岩田光央、佐々木望、小山茉美、石田太郎、鈴木瑞穂、玄田哲章

公式 : AKIRA

 

東京ゴッドファーザーズ

クリスマスから元旦までの東京を舞台に、元ドラッグ・クイーンと飲んだくれのおっさんと家出中の女子高生が、捨てられた赤ちゃんの親を探すコメディー映画。

映画内の季節が冬ということもあり、クリスマス前後の雰囲気がよく演出されている。

深夜、しんしんと雪の降る公園をはじめ、年末の都会の風景がこれでもかというぐらい細密に情感たっぷりに描かれている。特に、家々の屋根に雪が積もっているシーンなんかは、個人的に好きな風景なのもあって一時停止しちゃったな。

お話やコメディ部分の素晴らしさも然ることながら、この映画の一番のウリは、この年末の風景であって、そういって間違いなければ、これはれっきとした雰囲気映画になる。

年末年始休み、お酒を飲みながらまったりゆっくり観たい、そんな映画だ。

 

ご都合主義を設定に取り込んだアニメ

お話としては、三人のホームレスたちと一人の赤ちゃんが、出来すぎなほど多くの偶然に助けられ、最後には大団円を迎えるというもの。

普通の映画なら、ご都合主義もいい加減にしろ!って言われちゃうところだよなと思ったけれど、赤ちゃんがただの赤ちゃんじゃないことを表現するための演出だということが自然と分かるから、不思議とご都合主義映画には陥っていない。

むしろ、ご都合主義を設定に取り込んでいるといった方が正しい。

監督 今敏の創作ノートを読めば、そこら辺について、そのものずばりなことを書いている。

意味のある偶然の一致にあふれた世界 – KON’S TONE

 

ジャンル : ドラマ、アドベンチャー、コメディー

監督 : 今敏

脚本 : 信本敬子、今敏

キャスト : 江守徹、梅垣義明、岡本綾、こおろぎさとみ、飯塚昭三、山寺宏一

音楽 : 鈴木慶一、ムーンライダーズ

制作 : マッドハウス

 

立喰師列伝

戦後から現代まで存在した、無銭飲食を繰り返した立喰師という者達の資料、伝承を伝える映画。

もちろん、立喰師などという職業は存在せず、この映画自体もモキュメンタリーである。

「うる星やつら」の登場人物 メガネの長語りが好きな人なら、この映画を200回は楽しめるはず。あの長語りが90分延々と続く映画だから。

イノセンスの後の映画だから、それなりに押井守の注目度は高かったと思うけれど、そのタイミングでこういう映画を作るところに押井イズムが出ていて大変良い。

 

空前絶後!スーパーライヴメーションアニメ

この映画は、実際の人物を撮影し、その写真を3DCGの人形に貼り付けるという手法「スーパーライヴメーション」で作られている。

この手法で作られたアニメ映画は恐らくこの作品だけじゃないかと思われるから伝わりにくいけれど、進化した人形劇とでもいった、一種独特な雰囲気を持っている。

実写とアニメの融合を図ったこの作品には、押井守周辺の人々*が多く出演していて、役者じゃない人もバンバン出ている。

名前は知っているけれど顔は見たことがなかったという人も出ていて、「あ!この人こういう顔だったんだ!」という発見がある。

*樋口真嗣、川井憲次、寺田克也、河森正治、品田冬樹、神山健治、山寺宏一、榊原良子、押井友絵、山田正紀、今野敏、乙一、滝本竜彦、藤木義勝、佐藤友哉、森岡浩之、大川俊道、沖方丁、きうちかずひろ、きうちえり子、立木文彦

 

ジャンル : ドラマ

監督 : 押井守

 

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