絶対に見た方がイイ名作アニメ映画 / OVAのおすすめ42選! 第参話

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日本のアニメ映画やOVAは、今ほどアニメが市民権を得ていなかった頃から現在に渡り、様々な影響を他作品に与えてきた。

それこそ海を越え、山を越えて。

その中には数十年前の作品も多いけれど、今でも通用するものも多い。

今回は、そんな劇場アニメとOVAのおすすめ42作品をまとめて紹介する!

クレヨンしんちゃん ヘンダーランドの大冒険

「ス・ノーマン・パー」

「すげーなすごいです」

「ジョマとマカオ」

「私はトッペマ。あなたのしもべ」

「敵にたしなめられるミサエとヒロシ」

初めてヘンダーランドを観た時から十数年経っているけれど、そのフレーズやシーンは今でも思い出せる。

金曜ロードショーだったかを録画して、何回も何回も繰り返し観た。

すごいのが、この当時からクレヨンしんちゃん劇場版のオープニングがクレイアニメーションだったこと。当時流行っていた雛形あきこも粘土人形として出ていた。

 

しんちゃんの孤独

作品のポイントは、しんちゃんの孤独にある。 ふたば幼稚園の園児や先生、ミサエとヒロシがどんどん敵に騙され、しんちゃんが孤立していくシーンがあるのだけれど、魔法とか超能力といったものを使わず、口八丁手八丁でしんちゃんの周りの人間を籠絡していく様が怖すぎる。

孤立したしんのすけが、唯一の味方であるトッペマ・マペットという人形と敵の本拠地に乗り込むところなんかは、本当に大丈夫なの!?と見ていて心配になるけれど、その男前っぷりが頼もしくもある。

思い返すと、かなり暗い映画だったんじゃないかと思うのだけれど、これにハマっていたのだから、子ども心に響く何かがあったはず。

臼井儀人による原作漫画にあったような、しんのすけが大人びたことを言う面白さはあったし、ひどく内省的かつバカバカしさを真剣に極めたババ抜きのシーンで、夫婦間の諍いを敵にたしなめられるシーンは今思い出してみても笑える。

だけれども、そういうギャグシーンよりも、しんのすけの孤独という暗さの方が錨となって、心に深くひっかかっる作品だったんだと思う。

 

ジャンル : コメディ、アクション

監督 : 本郷みつる

脚本 : 原恵一、本郷みつる

原作 : 臼井儀人

 

或る旅人の日記

「つみきのいえ」がアヌシー国際アニメーション映画祭グランプリやアカデミー賞を取ったことで有名な加藤久仁生が制作した作品で、絵本のような絵柄と、それにマッチした音楽の優しさが魅力。

 

なんというサイトだったか……

中学生のころ、Shockwaveなんとかというサイトがアツかった。

そのサイトでは、動画やゲームコンテンツを提供していて、この作品はその一つとして公開されていた。

今でこそ、ニコニコ動画限定など、Web限定でアニメを公開することは珍しくないけれど、当時はこのサイトだけがその方法を取っていた。

他にも名作が公開されていて、タイトルを思い出せないものもあるけれど、音楽ロボットのFlashアニメのProject Pocoは今でも通用しそうなセンスのフラッシュアニメで、視聴者が操作してお話が進むという斬新な作品だった。残念ながらDVD化されていないみたいだけれど、埋もれてほしくないな。

 

ジャンル : ファンタジー

監督 : 加藤久仁生

 

パプリカ

オープニングの夢のシーンと元P-MODELの平沢進の曲「白虎野の娘」でドはまりした後、エンディングまで目が離せなくなるのがこのパプリカ。

林原めぐみが吹き替えをする主人公 千葉敦子が夢にダイブし、ある事件を解決する。

 

原作はオドロオドロしい

SF小説の大家 筒井康隆の原作は、オドロオドロしさがあって読んでいるとすこし疲れてしまうけれど、アニメバージョンなら何回でも観れるのは、やはり監督の今敏による演出によるもの。

PERFECT BLUE、千年女優、東京ゴッドファーザーズと、リアルトーンをベースに、アニメ映画としてのデフォルメを利かす、今敏に特有の演出が、パプリカの「夢をハックする」という設定にしても、現実感を持って受け入れられるようになっている。

 

ありえないものほど、あるあるを。

個人的に、アニメでありえないものを描くときほどリアルトーンが合うと思っている。例えば、宇宙人がバンバン出てくるようなお話で、現実とリンクしない超未来的な演出をすれば、それは観ている人を惹きつけない。

トップをねらえ2!にあるような宇宙での車の大渋滞など、何か現実世界あるあるを入れないと、ありえない世界にすんなり入っていけないから。

その点、今敏作品はキャラクターの造形、動きをリアルにかなり寄せているから入っていきやすい。それでいて、夢のシーンではありえなさをハジケさせるものだから、桂枝雀語る所の「緊張と緩和」にならっていて面白い。

この映画も京都みなみ会館で上映されていた。いや〜ほんとみなみ会館はいい映画ばかり!

 

ジャンル : ファンタジー、SF、サスペンス

監督 : 今敏

原作 : 筒井康隆

キャスト : 林原めぐみ、江守徹、堀勝之祐、古谷徹、大塚明夫、山寺宏一

音楽 : 平沢進

製作 : マッドハウス

 

秒速5センチメートル

東京の夜景に山崎まさよしの「One more time, One more chance」が合う〜!

雰囲気アニメの総大将 新海誠が、主人公の失恋を描いた3話構成のオムニバス作品。

1話と2話は主人公の少年時代と青年時代を描き、3話でいきなり時間が飛んで、東京ですっかりくたびれてしまった姿が映される。

問題はこの3話目。これでもかというぐらい美麗でエモーショナルで都会的な景色と、そのバックで流れる「One more time, One more chance」によって、雰囲気アニメの一つの極点を観れる。もう涙ボロボロ。

 

PVではない

秒速5センチメートルはこの3話目がピックアップされることが多いけれど、だからといって3話だけで成り立つ映画ではない。

もし、宮崎駿の映像をCHAGE and ASKAの曲に付けた「On Your Mark」のように、PVとしての作品だったら、あそこまでの雰囲気は演出し得なかったはず。

ほとんどセリフがない3話目の、カットバック的な映像から想像でストーリーを補えるのは、1話と2話があってこそだと思う。

GENIUS PARTYの1篇である「BABY BLUE」を思わせる、「失った」話を読み取ることが可能になるのは、3話へと続くお話があってこそだから。

Z会や大成建設のCMで、テレビで新海誠アニメが流されることが多くなってきた今、見逃していたなら是非チェックしてほしい。

 

ジャンル : ドラマ、ラブストーリー

監督 : 新海誠

音楽 : 天門、山崎まさよし

公式 : 秒速5センチメートル

 

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